更新日: 2023年10月18日
大阪で唯一まいたけを栽培されている、大阪まいたけ株式会社。普段はメディアなどの取材もあまりお受けにならないのですが、今回は特別にお話をお伺いする機会をいただき、貴重なお話をお聞きしました。
「誰もやっていないことをしようと思って始めたのが23年前です」と西川さんは振り返る。選んだ条件はふたつ——誰もやっていないこと、そして年間を通して安定供給できること。その両方を満たしたのが、まいたけの施設栽培だった。
近畿一円を見渡しても同業者は奈良県の生産者のみ。国内生産量の1位は新潟県で60%以上のシェアを占めるなか、大阪でこの作物を育て続けている。
「まいたけ栽培には種菌(たねきん)というものが必要なんですが、それの入手が難しいのと、栽培も難しく、栽培方法も一般的には出回っていませんから、参入障壁が高いんです。」
この希少性が、取材をほとんど受けない理由でもある。仕入れルートや栽培ノウハウは門外不出。「実際少し以前には、災害で資材が入手困難になって廃業される農家がたくさん出た」という厳しい業界の現実もある。今回は特別に話を聞かせてもらえた。
栽培は、18度に保持された専用の部屋で行われる。種菌を植え付けてから35日のサイクルで収穫し、年間約30トンを出荷している。温度と湿度の微調整が品質を左右するため、管理は365日休まず続く。
「最初は失敗の連続でした」と西川さんは言う。今は大きな失敗は減ったものの、猛暑のような想定外の気候では思い通りにいかないことがある。近くに同業者がいないため、試行錯誤はつねに独力だ。
「失敗は少なくなっても、思っているものと違うものができたりはするので、温度や湿度を微調整したり、おいしいきのこを作るために試行錯誤しています。23年間ほとんど休みなしで働いています。それだけ管理が大変なんです。」
近年の光熱費や原材料の高騰も重なり、「始めるのも大変、作るのも大変」という言葉に重みがある。それでも西川さんは23年間、大阪で唯一のまいたけ農家であり続けている。
鮮度のいいまいたけは、加熱してもコリコリとした歯ごたえが残る。食物繊維が豊富で健康にもよく、西川さんは「毎日少量でも継続して食べるのがいい」と話す。
なかでも注目したいのが、肉との相性だ。生のまいたけには「たんぱく質分解酵素」が含まれており、加熱前に肉と合わせておくだけで、肉がやわらかくなる。特別な手間いらずで、いつもの料理がワンランク上がる。
OSAKA MAITAKE'S TIP
まいたけで肉をやわらかくする方法
まいたけに含まれるたんぱく質分解酵素が肉の繊維をほぐすため、加熱後もしっとりやわらかな食感に仕上がります。天ぷら・パスタ・鍋など、どんな料理にも合わせやすいのもまいたけの魅力です。